新型コロナ禍での放射線治療後の肺への影響を教えてください

2021年1月9日   

2020年10月に左胸乳がん部分切除手術(ステージ0)をし、12月に16回放射線治療を受けました。治療はこれで終わりで、あとは定期健診になります。

放射線治療を始める時にCTをとって、説明を受けたのですが、「やはり肺にかかりますね」と言われました。晩期副作用として、治療後3か月~半年の間に100人に1人くらい肺炎になる可能性も説明を受けました。

新型コロナにかかると、やはり重症化する部類なのでしょうか。半年経てば、基礎疾患者ではなくなるのでしょうか?それとも、ずっと肺は傷ついたままで、基礎疾患者のままなのでしょうか?

仕事で大阪都心部へ片道1時間かけて電車通勤せねばならず、とても不安です。
どうぞよろしくお願い致します。

コロナ渦の中のがん治療ということで、様々な不安を抱えておられることとお察しいたします。

免疫力の低下は新型コロナウイルス感染症が重症化するリスクの一つと考えられておりますが、放射線の局所照射で感染に対する抵抗力が低下するというはっきりとしたエビデンスはありません。ご質問にあるように乳房温存術後の放射線治療により100人に1人程度は放射線による肺炎を生じることはありますが、新型コロナウイルスによって重症化する原因になるほどの免疫力低下を来すとは考えにくいです。日本放射線腫瘍学会からも「早期乳がん手術後に行われる放射線治療は、体への侵襲が少なく、免疫機能の低下はほとんどありません。」という声明がだされております。日本放射線腫瘍学会のホームページに詳細が記載されておりますので、そちらも合わせてご確認いただければと思います。ただし、放射線治療の有無に関わらず、一般の方同様に感染予防対策をきちんと行っていただくことは大切であると考えます。