トリプルネガティブ乳がんと診断されました 治療成績を教えて下さい

2020年6月30日   

今月、右乳房切除手術を受け、2.2センチの腫瘍です。病理結果は:グレードは3、ki67は80%、リンパ転移は2/6あり、手術中にリンパ転移を発見できずに、リンパ郭清を実施しませんでした。ER:1-5%陽性 PgR: 陰性 HER2:0
リンパ管侵襲:なし 術前抗がん剤治療はなし
私のような場合で、病院の先生はトリプルネガティブ乳癌に近いと言ってまして、ネットで調べたらたくさん怖い話があります。一体私の乳癌の予後因子はどのぐらいあるのでしょうか。(5年、10年生存率)

トリプルネガティブ乳癌で以下のような結果だったのですね。
浸潤性乳癌の治療は手術だけで終わることはなく、術後の薬物療法が重要になってきます。
薬物療法を行うことで予後も変わってきます。
トリプルネガティブ乳癌であれば、術後は抗癌剤治療が必須になります。
インターネットでは様々な情報を見ることができますが、それらは全てが正しいわけではありません。
今回怖いと思った内容については具合的に書かれていませんが、正しい知識を得ることによって怖さは少なくなると思います。

5年・10年生存率について聞かれたいとのことでしたが、参考までに[Predict Breast]というサイトをご紹介します。
これは年齢、月経状況、腫瘍径、ER,HER2,Ki67などの数値を入力して、具体的な数値を得ることはできますが、あくまで参考程度にお考えください。本来は術後の治療として内分泌療法、抗癌剤治療を加えることでどれだけ予後が延長するかを参考にするものです。ただ、これは術式や個人の生活習慣(喫煙や運動習慣など)は考慮されていません。詳細な数値ででますが、これを見てまた不安になる可能性もあるので、ここでは数値は示しません。

また、質問とは関係はありませんが、少し気になったので付け加えます。
32歳でトリプルネガティブ乳癌と診断されたということですが、BRCA1/2遺伝子検査や遺伝性乳がん卵巣がん症候群についてご存知でしょうか?
また、将来的にお子さんを持つご希望がありますでしょうか?
おそらくもう主治医の先生から説明や情報提供はあったかと思いますが、乳癌の治療だけでなく色々と今後のことを考えないといけないのはとても大変だと思います。上記について詳しく知りたい場合はこのサイト内を調べて見たり、主治医の先生に質問して見てください。

文責 JA広島総合病院 乳腺外科  梶谷 桂子