トリプルネガティブ乳癌の右鎖骨上リンパ節転移治療について教えてください
2022年12月に右乳癌 T2 N2、IDC 充実腺管癌、トリプルネガティブ、Ki 67 high、右乳腺A領域24mm、D領域16mmの腫瘤、右腋窩
12月中旬からキイトルーダ+ゲムシタビン+カルボプラチンの
その後、腫瘍マーカー改善し、遠隔転移はCT上消失しましたが、
右鎖骨上リンパ節転移部分は太い血管が近く切除不可能と説明があ
トリプルネガティブは治療可能な抗がん剤の持ち手が少ないため、
8月13日から右鎖骨周辺と右腋窩〜右側胸部に痛みが出てきてい
CA15-3: 7月 37.5 →8月 38.4→9月13日 60.7
放射線治療については浮腫が強く出やすい部位であるため積極的に
遠隔転移も怖いので化学療法は続けたいのですが、放射線治療や重
よろしくお願い致します。
ご質問ありがとうございます。
右鎖骨上リンパ節転移による症状が見られており、増大傾向であるのであれば、疼痛緩和を目的とした放射線治療の適応はあるのではないかと思います。ご質問に記載されている内容であれば、右鎖骨上リンパ節は単発のようですので、術後照射のように腋窩~鎖骨上領域を含めた広範囲に照射を行うわけではなく、一般的な緩和照射の線量であれば、浮腫が生じる可能性は低いと思われます。
化学療法との同時併用が可能かについては、化学療法の内容と照射部位(照射される正常臓器の種類や範囲)により判断が変わってきますので、併用の可否をここで回答することは難しいのですが、緩和照射が必要な患者さんが全身療法中であることは多いです。緩和照射に要する期間は短期間(1回または1~2週程度)ですので、放射線治療と併用しづらい薬剤を使用されている場合には、休薬期間中に実施する、休薬期間を少し延ばす、放射線治療と併用しづらい薬剤のみ放射線治療前後は休薬すると言う形で対応することが多いです。ご質問にある通り、全身療法の継続が望ましい状況ではありますが、症状を和らげるということも日々生活をする中では非常に大切になります。どのタイミングで緩和照射を行うのがよいのかは、病状や治療内容によって異なりますので、まずは、放射線治療科に受診いただき、放射線治療医より直接お話を聞かれてみてはいかがでしょうか。
文責:広島大学病院放射線治療科 西淵いくの