パキシルとタモキシフェンを併用しています。パキシルが止められないのですが、ホルモン療法はどうしたらいいでしょうか?

2021年8月27日   

こんにちは。私は現在50歳 閉経前です。浸潤性小葉癌 28mm リンパ転移:なし ホルモン受容体陽性 HER2:陰性 Ki67:30%(ただしホットスポット) 遠隔転移:なし 核グレード1
ki67が30%ということでEC療法+ドセタキセルの抗ガン治療をしています。
先日主治医に私が飲んでいるパキシルというお薬がホルモン療法だと使えないかもしれないと言われました。早速調べてみるとパキシルがタモキシフェンというお薬の効果を損ねるというようなことが分かりました。先生はパキシルを変更しましょうと言っておられたのですが、私は40代前半から更年期のような症状に苦しみ、なかなか外出ができない日々が続きました。あらゆる検査をしても異常はなし。漢方やHRT補充、プラセンタ注射など色々試しましたがどれも効かず・・・。最終的に心療内科にてパニック障害を伴う不安障害ということで、様々なお薬を試しました。SSRIやSNRI等、結構な数のお薬を試しましたが一向に良くならず・・・。最終的にパキシルを試したら気が付いたら一人で外出できるようになり電車にも乗れ、普通の生活が出来ているようになりました。だから今更ほかのお薬に変更と言われても、困ってしまいます。
先生に強制的に閉経させることはできないんですか?お薬などで、と聞いたんですが、閉経させる薬と閉経後に飲むホルモンのお薬を飲むことは閉経前の人には(日本では)認められていないとの事。その時心の中で「じゃあ卵巣を取ってしまえばエストロゲンが作れないんではないか?」と思ったのですが、ちょっと聞ける雰囲気ではなかったので、聞けませんでした。
パキシルをあきらめずにホルモン療法はできるでしょうか?生理は抗がん剤を始めてから4か月間止まっています。

パキシルがどうしても止められないと言う前提でお話をします。その場合、ホルモン療法を変更するしかありませんが、閉経前のホルモン内服療法は基本的にタモキシフェンしかありません。リュープリン、ゾラデックスなどのLHーRHアナログも使えますが、再発でなければやはりタモキシフェンとの併用となります。

であれば、卵巣切除して閉経にすることが考えられますが、当院産婦人科に聞いたところ「少しでも卵巣に以上所見があれば手術ができますけど、全く異常がなければ難しい」とのことでした。この辺りは施設によって異なりますので主治医に相談してみてください。最近は腹腔鏡手術もしているところが多いので、侵襲は少ないです。

もう一つは、卵巣に放射線照射をして閉経させることです。これもやってくれる施設があればと言うことになりますが、私は3人くらいしてもらったことがあります。比較的簡単に閉経するのですが、放射線が周囲の腸管などにかかることもありますので、やはり主治医の先生との相談になります

 

文責:広島大学病院乳腺外科 角舎 学行