副作用でアロマターゼ阻害剤を変更しようかと考えていますが、良いでしょうか?

2021年9月11日   

昨年夏、右胸全摘手術を受け、現在アリミデックス服用中です。
手指のこわばり・関節痛がきつく、主治医に相談し漢方薬を処方していただきました。様子を見て、改善されなければ、アロマシンに変更とのことです。
アロマシンはステロイド性で、非ステロイド性のアロマターゼ阻害薬の使用後に再発した乳がんに対して、エベロリムスとの併用療法により使われる場合もある。と記載されていて、今、アロマシンに変更していいのか気になります。

非ステロイド性のアロマターゼ阻害薬で副作用が出た場合に、ステロイド性であるアロマシンに変更することはしばしば行われます。もう一つの選択肢は、タモキシフェンに変更することですが、こちらの方が副作用が大きく変更すると思われます。しかし、これまでの臨床試験では、閉経後乳がんのホルモン療法ではアロマターゼ阻害剤の方がわずかに治療成績が良いことがわかっているので、主治医はアロマシンの方を勧めたのでしょうね

再発した場合に、エベロリムスとの併用については臨床試験ではアロマシンとの併用になっています。しかし、日本の保険適応ではアロマシンだけに限定はされていないので、その時にアリミデックスやフェソロデックスとの併用は可能です(主治医の症状詳記が必要ですが)。なので、現在、アロマシンに変更しても問題ありません。

 

文責:広島大学病院乳腺外科 角舎学行