ホルモン陽性/HER2陰性乳がんで、術後3年半での縦隔リンパ節再発に対して摘出をしました。今後の治療について教えてください
2021年7月26日 再発治療
2017年2月に乳房温存手術を受け、病理検査の結果
妊孕性温存後、5月からTC療法を4クールの予定でしたが、痺れ
MRIやPET-CTもしましたが、PET-CTで確認できる転
すると【腫瘍径:2.7㎝、ER:40%、PgR:0%、HER
主治医からはホルモン療法の継続(ゾラデックス+アロマターゼ阻
私としては、今回の再発は縦隔リンパ節への転移ではありますが、
ガイドラインには、ホルモン陽性患者の再発後の治療は、ホルモン
再発・転移後の根治は見込めないとしても、できるだけ次の再発ま
ご質問ありがとうございます。
ホルモン陽性乳がんの術後に、縦隔リンパ節再発に対し手術を受けられ、現在ホルモン療法中の状況ですね。質問者様がおっしゃるように、“限局した転移巣を取り除けたので、初発の手術後と近い状態と考え、術後に化学療法を行う”場合もありますが、その場合は温存した乳房や胸壁、同側腋窩リンパ節などへの再発巣に対し局所療法を行った場合です。質問者様の状況は、現在明らかな病変はないですが、今回の縦隔リンパ節再発は、残念ながら全身への転移の一部と考えて今後の治療を考えていく必要があります。化学療法に関しては、局所再発の場合でも手術後の補助療法に関する試験は少ないですが、切除後に行う化学療法の有効性を検証したランダム化比較試験(CALOR trial)があります。この試験では、ER陽性の場合、陰性の場合と異なり、化学療法による無病生存率や全生存期間において化学療法を行うことによる有意差は認められませんでした。質問者様の場合は、最初の術後よりも発現は低下していますがER陽性であること、QOLが維持できる治療、という点で、現在のホルモン療法を行うのが良いと思います。しっかりホルモン療法を継続して、再発が抑えられるよう願っています。
文責:県立広島病院臨床腫瘍科 土井美帆子