両側異時性乳がんと診断されました。術式などについて教えてください。

2021年9月11日   

お世話になります。
3月末に左胸浸潤性乳がんの部分摘出を行いました。ステージ1、ルミナールaで現在ホルモン治療を受けております。8月から放射線治療を行う予定でしたが、エコー検査で右胸に影が見えるということで生検をしていただいたところ、非浸潤性乳がんとの診断を受けました。

今後の治療について迷っているところがあり、ご質問させていただきます。

①母が乳がんを患っており、私も両側なので遺伝子検査を受けた方がよいでしょうか?

②遺伝性の乳がんの場合、両側全摘をするのがベストな治療法でしょうか?
また、遺伝性でない場合は、右も部分摘出が可能なら部分摘出、放射線治療で大丈夫でしょうか?

③ホルモン治療は4月から行っておりますが、対側の予防にはならなかったのでしょうか?今回見つかったものは、かなり見つけにくかったようですが、3月の時点にもあったが、たまたま映らなかったということも考えられるのでしょうか?

④手術をしていただく時期ですが、仕事の関係で12月中旬がベストなのですが、3ヶ月以上先でも大丈夫でしょうか?
左胸は照射ができないということも気になりますし、右胸は浸潤しないかとも心配です。

左胸だけならば、放射線治療でと思っていた矢先でしたので、本当に落ち込んでしまい、どうしたらよいのだろうと毎日悩む日々です

①母が乳がんを患っており、私も両側なので遺伝子検査を受けた方がよいでしょうか?
→遺伝子検査にはメリットとデメリットがありますので、遺伝子カウンセリングを受けてから決めることになります。手術の前だと術式に反映されますので、メリットが大きいと思います。

②遺伝性の乳がんの場合、両側全摘をするのがベストな治療法でしょうか?
また、遺伝性でない場合は、右も部分摘出が可能なら部分摘出、放射線治療で大丈夫でしょうか?
→一般的に、遺伝性乳がんの場合は、一生のうちで約70%の確率で乳がんになると言われています。100%ではないので、それぞれの価値観で決めたら良いと思います。遺伝性でなければ通常の判断でいいと思いますが、保険適応になっているBRCA遺伝子以外の遺伝性乳がんもありますので、そちらについてはわからないままですね

③ホルモン治療は4月から行っておりますが、対側の予防にはならなかったのでしょうか?今回見つかったものは、かなり見つけにくかったようですが、3月の時点にもあったが、たまたま映らなかったということも考えられるのでしょうか?
→4月からの内服では予防にならなかったというより、それよりも前からあったのだと考えられます

④手術をしていただく時期ですが、仕事の関係で12月中旬がベストなのですが、3ヶ月以上先でも大丈夫でしょうか?左胸は照射ができないということも気になりますし、右胸は浸潤しないかとも心配です。

→手術を伸ばしてもいいことはありませんので、出来るだけ早く受けましょう、としか言えません

 

文責:広島大学病院乳腺外科 角舎学行