乳がんと骨粗しょう症の関係について教えて下さい

2020年9月17日   

お世話になります。今年の秋に還暦になります。
2年前に非浸潤の乳管がんとなり、片胸を全摘し、無治療で済んでいます。
このたび、60歳検査で骨粗しょう症予備軍を指摘されました。
骨のお薬やビタミンDをクリニックで頂いています。
小魚はある程度食べていますが「乳癌百話」(南雲吉則先生著)で乳製品はある程度、制限した方がいいと読み、ヨーグルトや牛乳はたまにしか取りません。
本日、総合病院で薬物治療後初めて骨密度を測りましたが腰の骨密度は少し良くなりましたが膝はやや悪くなっています。
太陽には公園散歩で浴びています。毎日30分は歩くことにしています。
整形外科の総合病院の主治医は甲状腺機能低下症の薬が骨の生育を阻害しているのではないかと初回におっしゃいました。
乳がん予防には乳製品はある程度、制限する必要があるでしょうか
アマゾンでも海外の研究でイギリス人と一昔前の中国人の乳がんの発生率の違いは乳製品の接種の違いだという本が出ています。
乳腺の専門医や整形外科医に診察時に伺おうと思っていましたがいつも聞きそびれてしまいます。

骨密度は、年齢が高くなるにつれて確実に低下します。それを防ぐためには、運動、日に浴びてビタミンDを活性化させること、バランスの取れた食事が勧められます。お薬としては、ビスフォスフォネート製剤が第一選択になっていますが、抜歯などをされる場合には休薬が必要です。

乳製品については、ガイドラインにも「乳製品の窃取は乳癌発症リスクを減少させるか?」という質問に「乳製品の摂取により乳癌発症リスクは減少する可能性が示唆されている」と、むしろ乳がんを抑制する可能性ありとなっています。

いずれにしても、バランスのとれた食事、運動に加えて、適切な治療薬を内服されることですね。あまり細かい情報に振り回されないこと、必要であればお薬もキチンと飲むこと、主治医としっかり話しをすること、が必要と考えます

 

文責:広島大学病院乳腺外科 角舎学行