乳がんの卵巣転移に対してベージニオ+フェソロデックスを使用中です。この度フェソロデックスをアロマターゼ系の薬に変えてみないかと言われたのですが、今の薬が効いてるのに変える意味があるのでしょうか?

2020年10月15日  ,, 

今年1月筋腫・卵巣摘出時に偶然卵管に癌が見つかった事から、原発巣が乳癌である事が判明。4mmの浸潤性小葉癌、ステージ4。膣断端部に転移があり(PET検査による。MRIなどではわからないらしい)手術不可能と言う事でベージニオ+フェソロデックスを使用中。治療初期CA15ー3が157、9月末は、46.8
この度、フェソロデックスをアロマターゼ系の薬に変えてみないかと言われたのですが、今の薬が効いてるのに変える意味があるのでしょうか?一応主治医には確認しましたが、フェソロデックスもアロマターゼ阻害薬も変わらない、月イチ注射に来なくても2ヶ月分処方出来るから、との事。薬には耐性が出来ると聞いてますので、効いてる限り同じ薬を使う方が選択肢を残しておけるので良いと思うのですが、私の考えは間違ってますでしょうか?

確かに効果のある薬物を変更するのは一般的ではありません。ER陽性HER2陰性再発乳がんの一次治療は、これまでアロマターゼ阻害剤単独、フェソロデックス単独、アロマターゼ阻害剤+CDK4/6阻害剤併用の三つが横並びで勧められていました。この度、乳癌ガイドラインが変更され、アロマターゼ阻害剤+CDK4/6阻害剤併用が最も強く推奨されるようになったのが関係しているのかもしれません。しかし、フェソロデックス+CDK4/6阻害剤併用を使われる先生もたくさんおられますし悪い訳ではありません。効果がなくなったらどの薬物が悪かったのか評価が難しくなるので、効果が続いているのであればそのままでも良いように思います。主治医の先生も強くは勧めないのではと思いますし。

 

文責:広島大学病院乳腺外科 角舎学行