12月に広島市内の病院でトリプルネガティブタイプの浸潤型乳がんと診断されました。がんの大きさは1.6mm、今のところリンパへの転移もなく、乳首からも離れているため、乳房温存手術+抗がん剤+放射線線治療、を勧められてます。
が、5年前に妹が同じ病院で乳がんの手術をして同じく温存手術をしたのですが放射線治療中に放射性はいぞう炎(?)と間質性肺炎になって放射線治療を中止し、その後、手術した側にまた乳がん再発して昨年亡くなったため私は全摘手術を強く希望してます。主治医の先生(妹の時とは違う先生)は「がんの大きさや状況から温存も全摘も再発率は変わらない」と言われますが私としては妹がすごく苦しんだのを見てるので放射線治療は可能な限り避けたいんです。私は独身ですがもう結婚とか考えてないんで乳房の全摘に抵抗はありません。主治医の先生は温存手術を強く勧められますが、全摘と温存、何がどう違うのでしょうか?
必要ならセカンドオピニオンも考えてますがどこの病院に行けばいいのか、何を基準に病院を選べばいいかが分かりません。
あと、広島でも、乳がんの温存手術を日帰りで出来るクリニックがあると聞きましたが、日帰り手術は安全なのでしょうか?入院しなくていいこと以外にメリットはありますか?いろいろすいません。よろしくお願いします。
ご質問ありがとうございます。まず、術式についてですが、乳がんのサブタイプによって術式は変わりません。「がんの大きさは1.6mm、今のところリンパへの転移もなく、乳首からも離れているため、乳房温存手術+抗がん剤+放射線線治療を勧められている」とのことですが、妹さんのことがなければ術式については「乳房温存手術+放射線線治療」が標準かと思います。しかし、質問者の方が、妹さんのことで温存術に悪いイメージがあり嫌だ、と言うことでしたら、乳房全摘(+乳房再建)でも良いです。乳房部分切除のメリットは、手術侵襲が少なくその分、術後の痛みや違和感が少ないこと、整容性が保たれることなどです。全摘のメリットは、局所再発の危険性がほぼ無くなることです。しかし、乳房部分切除で術後に局所再発がやや多いとは言っても、生存率には差がありません。温存術をするかどうかについては、手術を受ける患者側に決定権があり、患者の意思に逆らって医師が無理に温存術をすることは勧められていません。じっくり考えて、決められたらと思います。
抗がん剤をするかどうかについては、浸潤がんの大きさが1.6ミリとのことですので、やらないという専門医もいると思います。これは色々と意見が分かれると思いますので、セカンドオピニオンを利用されたらいいと思います。抗がん剤をするかどうかに関してのセカンドオピニオンでは、県立広島病院臨床腫瘍科の土井先生や呉医療センター腫瘍内科の平田先生など、腫瘍内科の先生が良いのではないでしょうか?もちろん大学病院でも構いません。
日帰り手術のクリニックにつきましては、安全かどうかはそのクリニックに聞かないとわかりません。メリットとしては、医療費が安くなる(入院費用が要らない)ことがありますが、術後の出血のリスクや痛みのコントロールなどはちょっと心配ですね。
文責:広島大学病院乳腺外科 角舎学行