乳がんによる皮膚潰瘍で組織の壊死や臭いがひどいです。何か積極的な処置はありませんか?
2020年2月17日 緩和ケア
以前、花咲乳がんの患者様の皮膚潰瘍処置について
お忙しい中、ご回答をいただき、ありがとうございました。
サイトにアップ頂いた回答を確認させて頂き、ステーションのスタ
訪問看護の場面では多くの褥瘡患者さんに出会い、進行した褥瘡の
今回の患者様はすでに余命宣告も受けており、受診にも消極的なの
他のステーションの方の経験談で、潰瘍を切除したことで浸出液や
あとは、内服の抗がん剤などを使用することで皮膚潰瘍を縮小化で
その理由は定かではなく、私達看護師も在宅医の先生も苦慮するこ
ただ、在宅で最期を看取る立場を任された私達は、どんな事情があ
患者様やご家族はもしかしたら、標準治療を受けなかったことをひ
お忙しい中申し訳ございませんが可能でしたら追加でアドバイスを
患者さんの事を熱心に考えられておられ、頭が下がります。このような患者さんの場合、私はモーズペーストを使うことを考えます。モーズペーストは、病巣の感染のほか、病巣からの出血や浸出液よる汚染や悪臭に対応するために用いられることが多いのですが、ペーストが化学的に腫瘍の表面を凝固させることにより固めて、臭いやデブリードメンを行えます。気をつけなくてはいけないのは、腫瘍だけでなく周囲の正常な皮膚につくとそこも凝固してしまうので、とても痛いです。私は、腫瘍の周囲にワセリンをたっぷり塗ってから腫瘍にモーズペーストを塗り、凝固させてからデブリードメンしていました。私の時は、ずっと塗るのではなく30分くらい塗ってはモーズペーストを剥がしていましたね。
ポイントとしては、(1)最初は経験のある医師に処置してもらう、(2)一度にたくさん処置せずに少しずつ行う、(3)周囲の皮膚につかないようにワセリンを塗ってカバーしておく(土手を作るような感じです)、ですね。薬剤師さんが軟膏についてよく知っていると思いますので、相談してみてください
文責:広島大学病院乳腺外科 角舎学行