断端陽性ってがんが残っていると言うことでしょうか?追加切除が必要でしょうか?

2021年5月5日   

昨年12月に定期検診時に乳がんの疑いがあり、針生検で右の非浸潤性乳管がん(約2センチ)の診断が出ました。術前PET検査で、左側にも乳がんの疑いの診断あり、細胞診→疑陽性、定期検査のエコーとマンモで指摘なく、PET検査指摘され、再度エコー検査で怪しいところが見つかりました。右乳がん確定時に早め手術を進められ、約2週間後全摘手術+同時に外科生検で怪しい腫瘍(5ミリ腫瘍+大きめに切除)の外科生検になりました。
外科生検病理検査結果は、乳管外への浸潤像はなし、脈管内侵襲像なし、HER2、Ki67は、非浸潤性乳管がん診断だから?出ていません。核異型スコア→1点 核分裂スコア→1点 核グレード→Grade1。ER→TS8=PS5+IS3 jscore3b pgr→TS7=PS4+IS3 jscore3b 術後は、ホルモン治療と放射線治療予定と言われました。
病理検査結果に次の記載があり、気になってます。「標本上切除断端は陰性ですが、切除断端まで0.1ミリの部分をみます」です。色々調べると、断端から5ミリ以内なら陽性?と記載があります。病理検査説明の時に、陰性だけど距離が近いから?全摘が良いと言われて近日中に左も全摘し、再建を予定してます。尚、先に手術した右側は、非浸潤乳管がん、断端陰性、転移なし診断出ており、現在は特に術後治療していません。
説明を受けた時点では、わからないことばかりで、言われたまま話を聞いていましたが、調べるほど、病理検査結果に断端陰性とは書いてるが、実際は陽性なので、全摘だったのではと考えてしまいます。
外科生検について、解説しているところがほとんどなく、マンモトームや針生検と比べてどれくらい外科生検の診断が正しいのかも気になってます。
病理検査の断端判定基準と外科生検時の病理検査結果から全摘後の病理検査結果やサブタイプなどが大幅に変わるかなど、次回診察時どのように聞いたらいいかを教えていただきたいと思い、質問させていただきました。長い文章で申し訳ございません。よろしくおねがいします。

「標本上切除断端は陰性ですが、切除断端まで0.1ミリの部分をみます」と書いてありますが、ご指摘のように断端までの距離が5ミリ以下の場合は、日本では「断端陽性」と言います。しかし、これは「乳がんが残っている」と言うことを示しているわけではなくて、「安全なマージンが取れていない」と言うニュアンスです。ですから、相談者のケースでは、乳房照射+ブースト照射になることが多いと思います。しかし、右も全摘(+再建?)しておられると言うことで、整容性も考えて、左も全摘+再建とされたのではないでしょうか?そう言うことであれば、納得いく治療方針と言えると思います

 

文責:広島大学病院乳腺外科 角舎 学行