新薬ベージニオについて金額が高額なため迷っています

2022年6月2日   

はじめまして。皮膚の発赤から診察を受け乳がんが確定しました。
ステージ3B ホルモン受容体陽性 HER2陰性 ki67   13.7%
術前化学療法AC4クールEC4クール 5/10 右乳房全摘 腋窩リンパ節郭清をしました。腫瘍は2cm、リンパ節転移は3個
手術で全て取りきれたとのことでした。この後放射線50グレイ
そしてホルモン療法となります
そこで元々皮膚まで浸潤していたことと年齢が43歳ということで再発リスクがあるのでフェマーラとリュープリンに加えて最近保険適用された新薬のベージニオを2年間服用をすすめられました。しかし金額が高額なため迷っております
ベージニオについてやるべきかどう思われますでしょうか?副作用と高額なところに躊躇しております宜しくお願い致します

ホルモン受容体陽性 HER2陰性乳がんでリンパ節転移が4個以上、もしくは1〜3個で腫瘍径が5センチ以上か組織学的グレードIII、の症例には、ホルモン療法に加えてベージニオの内服によって再発率が低下します。ハザード比が0.7でしたので、再発率は30%程度の減少になると思われます(MonarchE試験)。

一方、副作用として下痢、好中球減少、薬剤性肺炎などがあります。ですので、予防的に止痢剤を投与したり、血液検査に応じて薬剤の投与量を減量して対処します(減量しても効果はあまり減少しません)。

広島大学病院では臨床試験の段階で15例に予防的投与をしていますが、4名が副作用で中止しました。しかし、11例は2年間の内服を完遂しています。臨床試験でも内服完遂は80%くらいです

メリット、デメリットをよく考えて主治医としっかり相談してください

 

文責:広島大学病院乳腺外科 角舎 学行