浸潤性乳管癌(3.3センチ)グレード3  Ki67 40% ER90% ルミナルB乳がんの術後治療方法について

2022年7月4日   

5年半前に左胸、非浸潤乳癌で温存手術後、放射線治療。ノルバデックス4年服用。2022年5月に半年後の検査で同じ左乳房に癌が見つかり、(半年前エコーでは問題なしと言われました)手術(全摘、リンパ郭清)を終えました。
病理検査結果
浸潤性乳管癌 3.3センチ
グレード3 Ki67 40%
エストロゲン受容体90%
プロゲステロン受容体20%
ルミナルB
リンパ節転移個数リンパ節摘出個数0/7
ステージ2a
以上ふまえまして質問させてください。
①センチネルリンパ節生検は2回目はできないのでしょうか?今回CTに脇の下で写っているものもあり、脇の生検はしなかったと思います。
ただ病理検査結果は0/7でした。リンパ郭清までする必要があったのか不明です。(結論写っていたものは炎症性ではとのことでした。)
②7月頭から、上記病理検査結果でFECもしくはEC3週間に1回を4回パクリタキセルを毎週12回すすめられています。
抗がん剤についてもこの方式が妥当と判断されますでしょうか?
オンコタイプについては、術後後から知りましたので、主治医に今からでもできるのか確認します。
放射線治療も結果効かず、リンパ郭清についてもしかり、治療が無駄にならないことを望むためご意見お伺いしたくよろしくお願いします。

①につきましては、乳癌診療ガイドラインにも掲載されていますのでお読みください。初回手術時腋窩リンパ節郭清なしの場合、「腋窩リンパ節郭清よりもセンチネルリンパ節生検を行うことを考慮しても良い」となっています。当院でもこれに従っていますので、再度のセンチネルリンパ節生検でもよかったのかもしれません。しかしこれは前回手術の内容などを知りませんのであくまでも一般論です。炎症などがあれば、リンパ節も腫大しますし。

https://jbcs.xsrv.jp/guidline/2018/index/gekaryoho/g4-fq-7/

②についてはアンスラサイクリン+タキサンでもいいと思います。もう1段階控え目の化学療法レジメンとしてTC(ドセタキセル+エンドキサン)もありますが、これはどちらとも言えないと思います。

文責:広島大学病院乳腺外科 角舎学行