非浸潤がんでも再発や転移をするのはなぜでしょうか

2021年6月21日   

非浸潤がんの治療をしました。
非浸潤で全摘の場合、再発や転移のリスクは理論上は無い、ほぼ治ると認識していました。しかし、ネットで見るブログ等では、ステージ0で全摘だったのに、局所再発したものや、全身に転移したという内容を見かけます。なぜなのでしょうか。最初の診断が実はステージ0では無かったということなのでしょうか。全摘でも僅かに残った乳腺に癌が潜んでいたということなのでしょうか。
すみません、ステージ0でも安心できないのかと不安で質問させていただきました。

簡単に言えば、非浸潤がんではなかった、と言うことです。病理検査では、一般的に5ミリのスライスで切片を作り、顕微鏡でその面を観察します。その間に浸潤がんがあれば、見つからずに転移する可能性があります。他の病院で同様の例があり、当院でもう一度、細かくスライスをすると2ミリの浸潤がん、HER2陽性乳がんがありました。検査の限界がある、と言うことです

 

文責:広島大学病院乳腺外科 角舎学行