非浸潤性乳がんで乳房全切除しましたがホルモン療法をすることになりました。非浸潤がんなのに必要でしょうか?

2020年2月17日  , 

はじめまして。昨年末、右側乳がんと診断され全摘手術を受けました。
結果は非浸潤がんだったのですが、こちらの病院の方針でタモキシフェンを服用することになりました。
飲んで一週間で酷い抑うつ状態となり堪らず休薬させてもらいました。落ち込みというレベルではなく、発狂するという感じでした。
その状態が完全に改善するまで二週間かかった為、今後もタモキシフェンの再開は難しいと主治医に相談した所「少ない確率ではあるが、実は浸潤している可能性もある。グレードが3である事も心配。もし浸潤していて無治療だと次は他臓器への転移となる」と言われ、ショックを受けて帰りました。
再発ではなく転移という言葉が気にかかっております。
私はホルモン治療を続けた方が良いのでしょうか。
タモキシフェン以外に選択が無いのであれば大変厳しいと感じていますが、後悔もしたくなく、悩んでおります。ご教授よろしくお願い致します

非浸潤性乳管癌の乳房部分切除後に温存乳房内の再発を予防するためタモキシフェンなどのホルモン剤を服用することがあります。
今まで検討された試験では、温存乳房内の再発抑制効果は認めませんでしたが無病生存期間を改善したとされております。米国のがんセンターによるNCCNガイドラインでも温存乳房内再発を予防する目的でホルモン剤を服用することは考慮してもよいとされております。
本来、非浸潤性乳管癌は遠隔転移は起こさないStage0期の乳癌ですので
非浸潤性乳管癌の乳房全切除後に遠隔転移を予防するためにホルモン剤を服用することは記載がありません。
担当医先生は総合的に判断してホルモン剤を内服した方がよいと考えているのでしょうから本当に必要であるのかセカンドオピニオンで御相談されてはいかがでしょうか。また担当医先生の言われるように浸潤癌の可能性があるのでしたらもう一度病理検査にて浸潤癌が本当にないのか調べてもらっても良いかもしれません。ホルモン剤は少なくとも5年間は服用しなければいけませんので
しっかり御相談して納得して始められるほうがよいと考えます。
文責:広島大学病院 乳腺外科 板垣友子