非浸潤癌で全摘手術。術後病理検査でHER2陽性の浸潤癌となりました。薬物治療の判断で困惑しています。
2022年3月4日 HER2陽性乳がん
術前診断では非浸潤癌でタイプ等不明のまま全摘手術を行いました
ただ、セカンドオピニオンを受けても良いし(セカンドオピニオン
無治療で良いか、無治療の再発率、薬物治療を行なった場合の再発
【術後病理検査結果】
■組織型・・・浸潤がん(浸潤性乳管癌)
■リンパ節転移・・・なし
■ホルモン治療の有効性・・・ER(−)PgR(−)
■ハーセプチンの有効性・・・3+
■浸潤径・・・5ミリ×4ミリ(いくつかあり最大値)
■核異型度・・・2
■脈管浸襲・・・なし
■ki67・・・15%
HER2陽性乳がんについては、NCCNのガイドラインなどでは6ミリ以上、5ミリ以下で分けることが多いので無治療でも良い、という答えを主治医は出したのだろうと思います。しかし、同時に「術後化学療法+ハーセプチンを考慮」とも書いてあります。相談者の「ER陰性HER2陽性乳がん」は薬物療法の効果が非常に高く、術前化学療法を行なった場合には5〜7割でがんが完全消失します。ですので、より完治を目指せば術後化学療法+ハーセプチンになりますし、副作用が嫌であれば、無治療でも不正解ではありません。5ミリと6ミリでリスクがそう変わるわけではありませんので、相談者がどこまで目指すかということが治療法を決める基準になると思います
文責:広島大学病院乳腺外科 角舎学行