ki-67値とグレードが乖離しています。どう判断したらいいのでしょうか?

2020年4月14日  , 

今さらなのですが、ずっとひっかかっており不安が拭いされず質問させていただきます。2018年11月に温存手術をいたしました。大きさ2.5センチ、リンパ節転移なし、グレード 1、ホルモンどちらも高陽性、HER2陰性、ki-67値50%の粘液がんです。術前には、大人しく抗がん剤が効きづらいタイプなのでホルモン剤のみと言われていたのですが、ki-67値から 術後にTC療法を行いました。
結局、大人しいものではないということなのでしょうか?ki-67値が高いと抗がん剤が効きやすいと何かで見かけましたが、粘液がんは効きづらい。
その辺りがよくわからず、不安なままです。

ki-67値とグレードの乖離は時々見かけます。今回はki-67値が低ければ化学療法がなくて済んだのに・・・というご質問だと思いますが、私もそう思います。ホルモン陽性HER2陰性乳がんの場合、予後を分ける一番の因子はki-67値だと私は思っていますし、今のところそう考える乳がん専門医は多いと思います。グレードについては1,2,3の3段階の分け方ですし、0~100%で分けるki-67値の方がより正確ではないかというのが理由だと思います。今の考え方では、(1)ki-67値とグレードの乖離は少ない、(2)どちらかが高値であれば化学療法を勧める、というのが実情です。もし化学療法を回避したいデータを求めるのであれば、OncotypeDXをお勧めしますし、主治医もそう説明されたのではと思います。TC療法は質問者の乳がんに対してはベストの治療と考えますので、そこまでされたのであれば後悔はないのではと思いますよ

 

文責:広島大学病院乳腺外科 角舎学行