2024年7月6日(土)第150回まちなかリボンサロン(WEB形式)開催の報告

第150回まちなかリボンサロンは、JA広島総合病院 腎臓内科 藤田 綾子先生に『一緒に考えてみませんか?腎臓を守るために気をつけること』をテーマにご講演いただきました。

まずは、人体における腎臓の主な働きについて、①老廃物の排泄、②水分・電解質の調整、③血圧の調整、④骨を強くする、⑤血液をつくる、役割を担う器官であるとのご説明をいただきました。

 

次に慢性腎臓病(CKD)についてお話をいただきました。CKDとは腎臓の働きが徐々に低下していく病気で、成人の7~8人に1人が発症している、国民病の一つです。

CKDが進行すると、倦怠感や貧血、夜間尿、息切れなどの症状が現れ、これらの症状が自覚症状となって現れた時には、かなり進行している場合が多いようです。

この自覚症状の乏しさから「沈黙の臓器」とも呼ばれる腎臓が病気になると、早期であれば治療で回復するが、腎臓機能がある程度低下すると元に戻すことが難しいため、異常の早期発見には、定期的な検査が大切だということでした。

 

万が一、既に腎臓機能が低下していしまっている場合は、進行を遅らせる治療が必要であり、普段の生活習慣の改善が必要になるという事です。

 

まず大切なのは、禁煙であり、喫煙は心血管病などの病気の危険因子でもあるためまず禁煙が重要となります。そのほか、適性な体重を維持するためにも運動不足の解消や、ストレスを避けて十分な睡眠が肝要です。

 

次に、同じく最も重要なのが減塩で、具体的な食事についての助言をいただきました。十分なエネルギーの必要量の目安や、重症度(ステージ)や症状に合わせた栄養素の制限も大切だということなどをお教えいただきました。くれぐれも自己判断は避け、医師に相談するようにとのことでした。

 

最後に、乳がん患者とCKDを関連付けるデータは見つけられませんでしたが、腎機能が低い状態では投薬ができなかったり、抗がん剤の使用によって腎機能低下のリスクがあるものが含まれているため、治療を進めて身体を守っていくためにも、腎臓にやさしい生活が肝要であると述べられ、レクチャーを締めくくられました。

次回8月の第151回まちなかリボンサロンは、島根大学医学部付属病院 乳腺センター角舎 学行 先生に『より綺麗に乳房を残すための手術~ラジオ波焼灼療法と内視鏡補助下手術~』をテーマにご講演いただきます。

皆様のご参加をお待ちしております。よろしくお願いいたします。