まちなかリボンサロン
ハイブリット形式で開催していましたが、現在はオンラインのみで行っています。

2026年8月1日(土)第175回まちなかリボンサロン申し込みを開始します


第175回まちなかリボンサロンはWEBオンライン形式のみで行います。

レクチャー後に、チャットからの質問コーナーも設けます。
匿名(ニックネーム)で参加できますので、お気軽にご質問ください。
(その場でお答えしますが、時間の都合上全員の質問にお答えできない場合もあります)

また質問コーナー終了後、希望者のみ、そのまま残っていただきオンラインでのおしゃべり会も開催しています。おしゃべり会には、先生方も参加します。
もちろんミニレクチャーの聴講だけの参加でも結構です。
詳しくは、こちら<<< をご覧ください。

<WEBオンライン形式>
パソコンやスマートフォンからzoom(インターネット)を使ってご参加ください。
以下の「申し込みフォームボタン」から事前のzoom参加の登録をお願いします。
定員が100名となっておりますので、お早目にお申し込みください。

サロン参加ルールを設けていますので、必ずお申込み前にご確認ください。
 ■サロン参加ルール はこちら

= 第175回まちなかリボンサロン =

日 時:
2026年8月1日(土)14:00~16:00
☆ミニレクチャー
『 乳房再建(仮題) 』
講師:
広島大学病院 形成外科 佐々木 彩乃 先生

申し込みフォームへ

※申し込みフォームが変わりました。
内容に沿って名前(ニックネームでも可)、メールアドレス等を入力してください。
申し込み直後に、参加URLをお知らせする受付確認メールが「zoom」から届きます。

●必ず所定のお申込みフォームからお願いします。
●参加のURL は、申し込み者ごとで違います。リンクを共有しないでください。
一人でPC、スマホ、タブレットなどを複数使ってのご参加はご遠慮願います。
●申し込み方法について分からないことがあれば、事務局までメールでお尋ねください。

2026年7月4日(土)第174回まちなかリボンサロン(WEB形式)開催の報告

第174回まちなかリボンサロンでは、「診察室では聞けなかった乳がん治療のなぜ? 術前・術後の不安との付き合い方」をテーマに、東広島医療センター乳腺・内分泌外科の鷹屋桃子先生からお話しいただきました。広島生まれ広島育ちで、一度県外に出た後に地元へ戻られたという先生は、趣味のスポーツ観戦にも触れながら、講演を始められました。

  

乳がんの治療には手術、放射線治療、抗がん剤、ホルモン療法などがありますが、目的は今ある癌を取り除く・小さくすること、手術後の再発を減らすこと、癌による症状を和らげることの三つに整理できると説明されました。体内では細胞分裂で生じた異常な細胞を免疫細胞が日々排除していますが、その監視をすり抜けて増殖したものが癌になるといいます。乳がんの多くは乳管の中にとどまる非浸潤がん(ステージ0)から始まり、乳管の壁を越えると浸潤がんと呼ばれる段階に進むそうです。

 

手術は目に見える癌を取り除き、薬物療法は全身に散らばった見えない癌細胞を攻撃し、放射線治療は温存乳房などに新たな病気の芽が出ないようにするというように、三つの治療が連携していると説明されました。手術で癌を取り切っても薬物療法が必要なのは、細胞レベルでは癌が体に残っている可能性があるためだそうです。

  

治療には副作用も伴い、ホルモン療法による関節痛やほてり、抗がん剤による吐き気などが紹介されました。症状をゼロか百かで考えず、熱中できることへ意識を向けたり気持ちを言葉にしたりすることが助けになるといい、生活に支障が出るほどつらい場合は我慢せず伝えてほしいと呼びかけられました。  

検査については、マンモグラフィーは石灰化の発見に優れ短時間で済む一方で痛みや被ばくを伴い、超音波検査は痛みがない反面、検査者によって見え方が異なることもあるなど、それぞれに得意・不得意があると説明されました。手術後の傷跡は超音波でギザギザした構造に映ることがありますが、多くは「術後変化」であり新たな癌ではないとのことです。「異常なし」は「症状がない」こととは異なり、傷跡周辺のしびれや違和感は手術の影響として残ることもあるといいます。

 

再発を疑う症状としては急な息切れや骨の痛み、新しいしこりが挙げられ、天気の悪化にともなう痛みは多くの方に見られる変化だそうです。地域のクリニックをかかりつけとして持つことも勧められました。

  

インターネットの情報については、SNSでは副作用や再発といったネガティブな体験の方が拡散されやすく、順調な人の声は目立ちにくい構造があると説明されました。乳がんはタイプやステージ、治療内容によって状況が大きく異なるため、他の患者と比較しすぎないことが大切だといいます。情報を集める際は日本乳癌学会のホームページなど根拠のある情報源を選び、生成AIは情報整理のツールとして活用しつつ情報を鵜呑みにせず、最終判断は主治医と相談してほしいとのことでした。

最後に先生が強調されたのは、インターネットの情報だけを理由に、自己判断で治療をやめないでほしいという点です。症状がつらく治療の継続が難しいと感じたときは、まずは主治医に連絡し相談してほしいというメッセージで講演が締めくくられました。

次回、令和8年8月1日(土曜日)の第175回まちなかリボンサロンは、広島大学病院 形成外科の佐々木彩乃先生に「乳房再建」をテーマにご講演いただく予定です。
次回もZoom配信にてお届けする予定です。ぜひご参加ください。

2026年6月6日(土)第173回まちなかリボンサロン(WEB形式)開催の報告

第173回まちなかリボンサロンでは、「最新の乳がんの手術〜術式はどうやって決められるのか?」をテーマに、島根大学医学部附属病院 乳腺外科の角舎学行先生から、手術の決め方と最新の選択肢についてお話しいただきました。令和7年5月に同大学乳腺外科の初代教授に就任された先生で、島根での家庭菜園のエピソードも交えながら和やかにお話が始まりました。

 

術式を決める際、医師がまず確認するのは乳がんの「サブタイプ」です。ホルモン受容体とHER2(ハーツ)の組み合わせによって、ルミナル型・HER2陽性・トリプルネガティブの三つに大別されます。HER2陽性とトリプルネガティブの乳がんは、まず術前薬物療法(手術前の薬物治療)を先に行うのが基本です。HER2陽性では半数以上でがんが完全に消失し(病理学的完全奏効)、治療効果に応じてその後の治療を調整できる点でも先に薬物療法を行う方が有益とされます。一方、患者さんの過半数を占めるルミナル型は、多くの場合まず手術を行います。

  

部分切除(乳房を残す手術)が可能かどうかは、腫瘍の大きさ(おおむね3センチが目安)と位置によって判断します。近年は乳房再建が一般化したことで術式の考え方も変わり、大きく切る必要がある場合は全摘+再建の方が確実で美容的にも優れるとされます。

 

部分切除の選択肢としては通常の切開のほか、脇の下や乳輪から小さく切開して内視鏡で行う「内視鏡補助手術」、針を刺してラジオ波でがんを焼灼する「ラジオ波焼灼療法(RFA)」も紹介されました。後者は腫瘍径1.5センチ以下の早期がんが適応で、乳房に傷や変形がほとんど残らない「切らない手術」です。

  

全摘の場合は乳頭乳輪を残すかどうかを判断したうえで、シリコン製インプラントまたは自家組織(主にお腹の脂肪)による乳房再建を検討します。インプラントは胸以外に傷が残らない反面、動かないという特徴があり、自家組織再建は自然な動きが得られる一方でお腹に傷が残ります。それぞれのメリット・デメリットを踏まえ、患者さんの体型や希望に合わせて選択することが大切と説明されました。

 

今後の方向性として、術前化学療法後にがんが消失した場合に手術をせず放射線のみで経過を見る全国共同臨床試験「アマテラス試験」が進行中であること、傷が目立ちにくいロボット手術(ダビンチシステム)が普及を目指して動き出していることも紹介されました。乳がんの手術はこれからさらに選択肢が広がっていく分野です。

最後に先生が強調されたのは、「手術の技術レベルは病院ではなく術者によって大きく異なる」という点です。内視鏡手術やラジオ波焼灼療法を提供できるかどうかも医師次第であり、術式に迷ったときはセカンドオピニオン・サードオピニオンをためらわずに活用してほしいというメッセージで締めくくられました。

次回、令和8年7月4日(土)14時からの第174回まちなかリボンサロンは、東広島医療センター 乳腺・内分泌外科 鷹屋 桃子 先生に「診察室では聞けなかった乳がん治療のなぜ?〜術前術後の不安との付き合い方〜」をテーマにご講演いただく予定です。
次回はZoom配信のみでのお届けになる予定です。ぜひご参加ください。

2026年5月9日(土)第172回まちなかリボンサロン(WEB形式)開催の報告

第172回まちなかリボンサロンでは、「さいきんの薬物療法のハナシ」をテーマに、広島大学病院 乳腺外科の笹田伸介先生から、加速度的に進化を続ける乳がん治療の最前線について学びました。乳がんは一人ひとりの性質に合わせた「個別化治療」が極めて進んでいる分野であり、最新の知見を正しく知ることが、納得のいく治療選択への確かな一歩になる――まずその力強いメッセージが、講演の柱として示されました。

 

乳がん治療を組み立てる上で欠かせないのが「サブタイプ(性質による分類)」の特定です。ホルモン受容体やHER2(ハーツー)タンパクの有無、そして増殖のスピードを示す指標などをパズルのように組み合わせ、その方に最も適した薬剤を選択していくプロセスが、最新の知見を交えて丁寧に解説されました。

近年の治療における劇的な変化として、以下の3つの重要なトピックが整理されました。

  

ルミナールタイプ(ホルモン受容体陽性)の進化: 従来のホルモン療法に加え、「CDK4/6阻害薬(アベマシクリブなど)」という分子標的薬を併用することで、再発リスクの高い方や転移のある方の治療成績が飛躍的に向上しています。 これにより、再発を防ぐための「上乗せ」の選択肢が大きく広がっていることが紹介されました。

HER2陽性タイプへの画期的な新薬: がん細胞を狙い撃ちする「抗体」に「抗がん薬」を直接くっつけた「ADC(抗体薬物複合体)」という新世代の薬(エンハーツなど)が登場しました。 標的細胞だけでなく周囲のがん細胞にも効果を及ぼす(バイスタンダー効果)など、これまでの常識を塗り替えるような高い効果を発揮している現状が詳しく語られました。

  
トリプルネガティブ乳がんへの新たな光: 有効な薬剤が限られていたこのタイプに対しても、免疫の力を借りてがんを攻撃する「免疫チェックポイント阻害薬(キイトルーダなど)」が術前・術後の補助療法として標準化されました。 これにより、手術前にがんが完全に消失する割合(病理学的完全奏効)が有意に高まっていることが示されました。

 

また、講演の締めくくりには、昨今の「AI(人工知能)」の進化についても触れられました。 画像診断や病理診断においてAIが人間を凌駕する可能性が示唆されていますが、治療方針の決定において最も大切な「対話」や「患者さんの価値観への寄り添い」は、AIには代替できない人間ならではの領域です。 科学的なデータやAIの予測を賢い「道具」として使いこなしつつ、最終的には医療者との血の通ったコミュニケーションを通じて、自分らしい道を選んでいくことの重要性が語られました。

  

笹田先生は「新しい薬が増え、選択肢が広がることは大きな希望ですが、同時に治療の組み立ては非常に複雑になっています。決して一人で抱え込まず、医療者と対話をしながら自身にとって最善の道を歩んでいきましょう」と締めくくられました。

次回、第173回まちなかリボンサロンは、本サロンの創設者である島根大学医学部附属病院の角舎学行先生をお招きし、「最新の乳がんの手術〜術式はどうやって決められるのか?」をテーマにご講演いただく予定です。 次回は、オンラインと現地開催(TKP広島本通駅前カンファレンスセンター)でのハイブリッド形式での開催となります。皆様のご参加を心よりお待ちしております

2026年4月11日(土)第171回まちなかリボンサロン(WEB形式)開催の報告

第171回まちなかリボンサロンでは、「お口からはじめるやさしいインナーケア」をテーマに、miyu’s歯科小児歯科の薬剤師・口腔栄養指導士であり、薬膳カフェ店長も務められる伊木友香先生から、お口の健康を全身の健やかさに繋げるための考え方とセルフケアについて学びました 。

  

お口は単なる食事の道具ではなく「からだの入り口」であり、食べる力は日々を生きる力そのものである――まずその視点が大切な土台として示されました 。 講演では、口の乾き、むせ、滑舌の悪化、食べこぼしといった些細なサインが、お口の機能が衰え始める「オーラルフレイル」のはじまりであることが解説されました 。

これを見過ごして「口腔機能低下症」へと進行させてしまうと、将来的に摂食嚥下障害や咀嚼機能不全を招き、最悪の場合は胃ろうや看取りといった深刻な事態に繋がるリスクがあります 。最近では若い世代にも増えているという指摘もあり、年齢に関わらず「悪くなる前に整える」という意識を持つことが重要です 。

 

お口のトラブルは、単に「菌」だけが原因ではなく、お口の環境、身体の状態、そして生活習慣という3つの要素が複雑に絡み合って起こります 。特に歯周病は、糖尿病や高血圧、認知症などをドミノ倒しのように引き起こす「メタボリック・ドミノ」の起点となり、全身疾患に大きな影響を及ぼすことが示されました 。

また、女性の場合は更年期などのホルモンバランスの変化によって、歯肉の炎症や口腔乾燥が起きやすくなるという点も、注意すべきライフステージの特徴として挙げられました 。 日々の養生として、具体的で実用的なアクションも多数紹介されました。

 

「あいうべ体操」:口を大きく動かす体操を1日30回を目安に続けることで、口の周りの筋肉を鍛え、口呼吸の改善や免疫力向上に役立てます 。

「3時間ルール」:飲食後に溶け出したミネラルが唾液の力で元に戻る「再石灰化」の時間を確保するため、食間を3時間空けることが推奨されました 。

東洋医学の知恵:旬の食材で「気・血・水」のバランスを整える薬膳の考え方を取り入れ、疲れには「なつめ」、むくみには「コーン茶」など、自分の体質に合わせたインナーケアを行うことが提案されました 。

さらにユニークな視点として、姿勢と噛み合わせの関係についても言及されました。猫背などの姿勢の乱れが顎への負担を増やし、食いしばりや口呼吸を招く原因になるため、歯科医院で姿勢診断や体幹トレーニングを行う意義についても触れられました 。

  

歯科医院は「悪くなってから行く場所」ではなく、カフェのような心地よさの中で自分を大切にし、「未来の自分のために通う場所」へ 。単なる表面的なケアに留まらず、自身の生活習慣や身体の状態を客観的に見つめ直し、専門家と相談しながら「再発しづらい環境」を共に作っていくことが、今ある自分の歯をいつまでも守るための鍵であると結ばれました 。

次回のまちなかリボンサロンは、 広島大学病院 乳腺外科の笹田伸介先生より「さいきんの薬物療法のハナシ」をテーマにをテーマにご講演いただく予定です。次回もZoom配信開催となります。ご期待ください。