第162回まちなかリボンサロンでは、そうごう薬局 天神中央店で薬剤師としてご活躍されている江淵 愛(えぶち あい)先生をお迎えし、「調剤薬局を使いこなそう ~あなたの治療の最強サポートを作る方法~」をテーマにご講演いただきました。
講演の冒頭では、調剤 薬局が「薬をもらうだけの場所」ではなく、患者さんの治療や生活に寄り添い、支える存在であることをお話しいただきました。特に乳がんの治療では、体調や副作用、生活への影響が大きいため、薬剤師が果たす役割もとても大きくなっているとのことでした。
その中でも「かかりつけ薬剤師制度」についての説明は、多くの参加者にとって新しい情報となりました。この制度を利用することで、24時間体制での相談や、薬の飲み合わせ・副作用のチェック、服薬の一元管理といったサポートを継続的に受けられるようになります。江淵先生からは、「薬局にはこんな機能もあるんですよ」と、制度を上手に活用することの大切さがわかりやすく紹介されました。
また、日常の中で起こる小さな体調の変化や、薬に関する不安も、気軽に薬局に相談してよいこと。そして、必要があれば薬剤師が医師に直接連携して情報を伝えることもできるという、安心できるサポート体制があることも強調されました。
講演では、実際の患者さんのケースをもとにしたエピソードも紹介されました。抗がん剤治療が始まる前から、ウィッグの試着や頭皮ケアのアドバイスを受けられるようにしたり、LINEで副作用の相談を受けたりと、日常生活と治療をつなぐ細やかな支援が行われていることが伝えられました。
さらに、「健康サポート薬局」や「地域連携薬局」「専門医療機関連携薬局」といった薬局の種類にも触れ、それぞれがどのような機能を持っているのか、がん治療中にはどんな薬局が頼りになるのかについても説明がありました。
講演の終わりには、「治療を支えるチームの一員として、薬局もどんどん活用してください」と笑顔で語られました。「困ったことは一人で抱え込まず、まずは薬剤師に話してみること」が、より安心して治療を受ける第一歩になるという、心強いメッセージで締めくくられました。
次回、令和7年8月2日の第163回まちなかリボンサロンは、島根大学医学部附属病院 乳腺センター 角舎 学行 先生に、「自分でできる乳がん治療 〜乳がんにならない生活習慣〜」をテーマにご講演いただく予定としております。詳細が決まり次第、改めてホームページ上でお知らせいたします。