マンモグラフィ検診を受けて「要精査」の診断を受ける方の割合は2015年の広島県の調査で受診者1,000人中72人、乳がんと診断される人は3人あまりです。
「要精査」とは「がんかもしれない」ということであり「がん」と決まったわけではありません。
マンモグラフィのカテゴリー分類はあくまで画像での「乳がんの怪しさ」の評価であり、乳がんの進行度(ステージ)とは異なります
乳がんは2倍の大きさになるのに3~6か月かかるといわれています。あの時に精査に行っておけばよかったと後悔されないよう、早めに精密検査を受けましょう。
検診のマンモグラフィのフィルムもしくはデータがあれば精密検査施設へ持参してください。持参されても精密検査施設で再度マンモグラフィを受けていただくことがあります。
Aさん
検診前から乳房のしこりを見つけていたので要精査の通知がきてやっぱり、と思いましたが、病院に行くのがとても怖くてしばらく行くことができませんでした。しかし友人から「早く言ったほうがいい」と背中を押されて受診しました。
精密検査って何をするの?
基本は超音波検査と細胞、組織を採取する検査になります。明らかな良性腫瘍、良性疾患の場合は細胞、組織採取は行いませんが、その後は通常の検診に戻るのではなく精密検査施設での経過観察となることがあります。
細胞の検査 (細胞診 さいぼうしん)
超音波検査(エコー)で「しこり」が確認できた場合、細胞の検査を行うことがあります。
採血程度の太さの針を使い、しこりの一部の細胞を採取します。検査後は日常生活の制限はありません。
Bさん
先生から、細胞の検査をすると言われ、とても緊張しました。検査は10分もかからず、痛みも我慢できる範囲で、その後は普通に帰ることができました。しっかり調べてもらい安心できました。
組織の検査 (針生検 はりせいけん)
それでも診断がつかなかったり、悪性の疑いが強い場合は、局所麻酔を用いて少し太い針で組織(細胞のかたまり)を採取します。「がんの確定診断」はこの組織診断になります。
帰りの運転は可能ですが、刺した傷から出血を予防するために当日の飲酒や入浴は控えてもらいます。
翌日からは普段通り過ごしていただけます。各検査の結果は1週間前後かかります。
Cさん
虫歯治療と同じように、針生検の検査も最初に局所麻酔の注射をしました。一瞬、麻酔注射の痛みはありましたが、すぐに感覚が鈍くなって痛みは感じなくなりました。自分の仕事はデスクワークだったので、検査の後に出勤できました。
MRI(エムアールアイ)検査
しこりが超音波検査で確認できない場合や診断が 難しい場合はMRI検査などを行います。
Dさん
はじめてMRIという検査を受けました。検査室には大きな機械とベットがあり、そこにうつ伏せになってしばらくじっとしていました。検査の職員さんとマイクで声をかけてもらったので少し安心できました。