2025年2月1日(土)第157回まちなかリボンサロン(WEB形式)開催の報告

2025年2月の第157回まちなかリボンサロンは、呉医療センター・中国がんセンター乳腺外科の郷田 紀子 先生に『AYA世代乳がん患者さんが教えてくれる乳がん手術後により良い生活を送るためのヒントとは』をテーマにご講演いただきました。

まずは、AYA世代とはどんな世代かをご説明をいただき、その特徴についてお教えいただきました。AYA世代のがんは全体の約2%を占め、年間で約2万人が発症しているとのことでした。

次に最新の学会で注目された「乳房手術についての長期的な予後に関する報告」についてお話がありました。乳がんを発症した際の予防手術をした場合としなかった場合で生存率に差があることが判ったそうです。

がんの発症は遺伝子との関係が非常に深く、がんになりやすい体質を測るためには、いまだ自費診療であるものの、多遺伝子パネル検査が有効であり、がんの早期発見にも有用であるとの事をお教えいただきました。

また、AYA世代のがんサバイバーは内分泌合併症のリスクが高く、治療後10年経過した累積罹患率は糖尿病や甲状腺機能低下症などが最も高いことが判っています。

このような合併症の予防やがんの再発のリスクを可能な限り最小化するためには、術後も健康診断や人間ドックを活用する、生活習慣病を予防する事が肝要であると言われています。

最後に、呉医療センターでの患者さんについてお話をいただいた後、AYA世代の悩みや現状からどんなことが考えられるかをお教えいただき、ご自身をいたわって無理をしない健康的な生活をしていただきたいという言葉で締めくくられました。

視聴者からは、「AYA世代は糖尿病などのリスクが少し高くなると知り、自分の身体を大切にしていきたいと、ますます感じました。」などといった感想が寄せられました。

令和7年3月1日の第158回まちなかリボンサロンは、福山市民病院看護部の賀出 朱美 看護師に『治療との向き合い方(仮)』をテーマにご講演いただきます。