乳がん治療中に人間ドックは必要でしょうか?

2019年12月11日   

現在、術後治療中です(右乳房全摘、リンパ郭清)。HER2陽性で10回ハーセプチンをしています。
乳ガンになる前に、毎年人間ドックに行ってましたが、今年は行ってなかったので、これから受けたいと思ってますが…受けても大丈夫ですか?

結論から申しますと、これまで毎年受けていた人間ドック、再開しても大丈夫です。

まず確認ですが、乳がん再発をチェックするための検査や、治療の副作用確認のための検査については、乳腺担当医と一緒に予定通り進めていきましょう。人間ドックのマンモグラフィや乳腺エコーを受けるかどうか、乳腺担当医と確認しましょう。

乳がん治療中のあなたにとって、人間ドックの主な役割は、乳がん以外のお病気に備えることです。「CTやPETを受けているから人間ドック行かなくても大丈夫ですよね?」という患者さんもおられますが、CTやPETでは早期大腸がんや早期胃がんとか発見できないこともありますので過信は禁物です。

女性がかかるがんの第1位はもちろん乳がん(11人に1人)ですが、第2位の大腸がん(13人に1人)、第3位の胃がん(19人に1人)、第4位の肺がん(22人に1人)、第5位の子宮がん(33人に1人)も早期発見早期治療が大切です。また、がん以外のお病気として、生活習慣病・肝臓や腎臓の病気・リウマチなどの確認もできます。

できれば、人間ドックの結果をかかりつけ医や乳腺担当医に見せて情報を共有しましょう。かかりつけ医や乳腺の検査と、人間ドックの検査とで、内容が一部重複することもありますが、ご理解いただければと思います。

 

文責:はつかいち乳腺クリニック 川渕義治