初発骨転移ありで手術を受けるか迷っています

2021年4月17日   

昨年の秋に乳がんの診断を受けました。その際、腫瘍マーカーが基準値よりかなり高くでました。CTやMRIを受けたところ、怪しいものが3箇所あるが、どれも転移とは断定できないと言われました。どちらかわからないのであれば完治を目指そうということになり、術前抗がん剤ACを4クール、TCを4クール行いました。抗がん剤で腫瘍マーカーはどんどん下がっていきました。

先日、術前の検査でCTとMRIを受けたところ、3箇所あった怪しいもののうち1箇所は変わらず、2箇所小さくなっていたそうです。上記の点から、骨の2箇所は乳がんの転移であると考えられるそうです。初発から骨転移があったということで、このまま予定通り手術をするか主治医と相談しましたが、こちらの気持ちを優先するような感じでした。

手術を行った場合、無治療の期間が伸びてしまい、手術をせずに転移としての治療をすぐに始めたら良いのか迷っています。術前抗がん剤で、胸のしこりとリンパのしこりはかなり小さくなったそうですが、完全には消えていません。
サブタイプはルミナールBでホルモン受容体です。

経過から骨転移がある状態で手術をするべきかどうかということですね?これについては、1990年代のデータでは、手術をしてもしなくても予後は変わりないという結果となっています。しかし、薬物治療が進んだ現在ではどうか?ということで、現在、日本で臨床試験 JCOG1017試験が行われています。しかし、結果が出るのはまだ5年以上先です。ですから、今のところは主治医の先生が言われる様に、患者さんの気持ち次第なのかと思います。

 

文責:広島大学病院乳腺外科 角舎学行