針生件の病理検査結果と術後病理検査の乖離の可能性はあるのでしょうか?

2020年8月7日   

針生検で浸潤性乳管がん、basal-like subtype 核グレード2、紹介状を持って受診した病院で超音波検査・マンモを受け、しこり約2×1.6cm リンパ節転移なしのステージIと言われています。
10月に手術を控えており、basal-like subtype はトリプルネガティブとのことですが、術前化学療法なしの予定です。
温存可能とのことですが、トリプルネガティブということで迷っておりますが、手術後には必ず腫瘍を病理検査すると思います。
その病理検査で、針生検と異なる検査結果が出る可能性はどのくらいあるのでしょうか?
また、異なる結果が出るのはよくあることでしょうか?
ステージIとは言われていますが、自分の感覚としては、なんとなくどこかに転移しているのではないかと思っており、術後ステージが上がっていた場合の心構えをしたいと思っています。

針生検と手術検体での検査結果の違いを検討した報告は多くあります。ER PgR HER2が9割以上一致していると報告されているものが多いです。質問者はER陰性、HER2陰性とのことですが、ERは癌細胞の1%でも陽性であれば陽性と判定されるので、乳がんの一部が陽性である可能性はあります。HER2に関しては30%がカットオフなので、あまり陽性になることはないかと思います。

リンパ節に関しては、術前の画像で転移なしと診断されセンチネルリンパ節生検を行い、結果、転移がある症例は1~2割あると思いますが、それは施設の術前検査のレベルによって異なります。

 

文責:広島総合病院乳腺外科 大原正裕