非浸潤癌の悪性度判定について教えてください

2021年3月23日   

針生検を行ったところ、ホルモン陽性乳管癌、神経内分泌腫瘍の可能性もあるとの診断を受けました。浸潤が明らかではなかったものの非浸潤癌ともいいきれない(筋上皮が一部で消失しているため浸潤を否定できない)とのことでした。針生検の検体では、ホルモンレセプターの検査は行われましたがHER2や核グレード等につては浸潤がないので行わなかったと言われましたが、悪性度の判定は非浸潤では行われないものなのでしょうか?また、非浸潤と浸潤癌の判断はどのようにして判断されているのでしょうか?

まず、浸潤の有無は、書いておられるように腫瘍の周囲が筋上皮で覆われている=乳管から外に出ていない、と言う事で診断されます。非浸潤癌におけるER HER2の意義はよくわかっていないのが現状です。非浸潤癌であればER陽性、HER2陽性でも治療しませんしね。ただ、核異型度については、局所再発などのリスクが上がるように考える先生もおられます。JCOG1505試験は、ER陽性HER2陰性の非浸潤癌に対して手術をせずにタモキシフェンのみを内服する、と言う臨床試験ですが、核異形度3は登録できません。そう言う点では、悪性度が少し上がると考えられていると思います

 

文責:広島大学病院乳腺外科 角舎学行