2019年8月24日(土)当法人主催の講演会「がん教育について考える~乳がん体験者として、医療者として子どもたちに伝えたいこと~」を開催しました。
対象は、乳がん体験者、医療者、学校関係者、ピンクリボン・アドバイザーなどがん教育に関心のかる方で、約50名の方が参加されました。
司会は当NPO法人ひろしまピンクリボンプロジェクト理事で広島大学病院がん専門薬剤師の櫻下弘志さんです。
第1部 テーマ「がん患者として命の授業で伝えたいこと」
講師の三好 綾さんはNPO法人がんサポートかごしま理事長・一般社団法人全国がん患者団体連合会事務局長で、2010年~鹿児島県内で延べ約140校でがん教育「いのちの授業」を実施しておられます。
がん教育は、小学校から高等学校まで順次全面実施されることが決まり、先進的な活動をされている三好さんたちの鹿児島での取り組み等お話しただきました。学校教諭との事前打ち合わせ、児童・生徒からの質問を先にもらう、がんの知識、がん患者のこと、そして命の大切さを伝えます。
子どもたちからの感想をもらい、全員に返事を書かれているそうです。子どもたちの不安を聞き、丁寧に心に残る授業を行っておられいます。講演会ではなく授業であること、主役は子どもたちであること。などしっかりと配慮に配慮を重ねておられることに感動しました。
第2部 テーマ「学校のがん教育の実際」
広島大学乳腺外科医師 惠美純子さんが、なぜがん教育が必要なのか?についてその目的とこれまで広島県内の学校で行って来られた「知ってほしい乳房と乳がんのお話」講義の中での生徒らのアンケート結果など、貴重なデータをもとにお話しいただきました。
がんに罹った人に対して、同情ではなく問題の共有とサポートが重要で、がん教育を通じて、正しい知識を学び、がんになっても人生を強く生き抜く力を身につけること!問題を共有できる成熟した社会を育てるためにも、がん教育を子どものうちから行うことの必然性が理解できるお話でした。
そして、ゲストの三好綾さんを交え、質問に答えていただく形で対談がすすみ、2時間がとても短く感じられ、会場からの大きな拍手で幕を閉じました。
偶然にも同い年の三好さんと惠美先生、息のぴったり合った対談で会場を魅了したようです。
満足度の高さはアンケートのご意見にも表れています。
●一部抜粋
・”がんを教える”ではなく、”がんで教える”心に響きました。
・大人と子どものがんに対する印象の違いに驚いた。
・早急に、がん教育を学校の中に取り入れるよう働きかける。(教育関係者)
・がん教育を伝えるために、かなり子どもたちに配慮していることに感心した。
・正しい知識を伝える大切さも、いのちの大切さが伝わってきて感動、励みになりました。
・言葉の大切さも学びました。コミュニケーション、連携のシステムが素晴らしい。
・がん教育が本格化していく現在の流れのなかで、このようながん教育に特化したセミナーが開催されるのはとてもありがたいです。今度はぜひ実践を含めたセミナーを開催していただきたいです。
・豊富なご経験に基づいて、大変詳細に、実践的なヒントをご教授いただきとても勉強になりました。
参加された皆さん、ありがとうございました。
いただいたアンケートは、集計してご意見等も講師に伝えます。
NPO法人ひろしまピンクリボンプロジェクト、次のイベントは10月20日(日)ひろしま乳がんアカデミアです。
広島を代表する医師らが一同に集まります。おひとりでも、お誘いあわせてご家族やお友達と、ぜひお出かけください。