まちなかリボンサロン
ハイブリット形式で開催していましたが、現在はオンラインのみで行っています。

2024年2月3日(土)第145回まちなかリボンサロン(ハイブリット形式)開催の報告

第145回まちなかリボンサロンは、無印良品広島アルパーク店様のご協力をいただき、「無印良品×まちなかリボンサロン コラボレーション企画」として『乳がん治療のアピアランスケアを考えよう』を開催いたしました。

数年ぶりの現地開催となった今回の企画、レクチャー部分はWEB配信ですが、その後は現地でグループワークを行うというものです。

前半レクチャー内容

  • アピアランス関連の副作用総論(広島市立北部医療センター安佐市民病院 乳腺外科 鷹屋桃子 先生)
  • 着るもの、身につけるもの(広島大学病院 看護部 奥田祥子看護師)
  • 爪・スキンケア・リンパ浮腫(広島大学病院 看護部 山口眞由美看護師)
  • 無印良品が開発する商品について(無印良品 様)

  

 

無印良品様が開発・オススメしている、乳がん治療のケアに使える商品の数々。

 

グループワークの風景

 

次回は、広島大学病院 がん相談支援センター がん専門相談員/がん看護専門看護師の織田浩子看護師に『利用しよう!「がん相談支援センター」』と題してご講演いただきます。

次回は、通常通りオンラインのみでの視聴となりますのでご留意ください。次回のご参加をお待ちしております。

2024年1月6日(土)第144回まちなかリボンサロン(WEB形式)開催の報告

第144回まちなかリボンサロンでは、島根大学医学部附属病院 乳腺センター角舎学行 先生に『あなたの悩みを解決します!〜乳がんいつでもなんでも相談室にいただくことが多い質問にまとめてお答えします〜』と題してご講演いただきました。

現在、ピンクリボンプロジェクトのWebサイトに「乳がんなんでも相談室」というページを開設して4年ほど経ちます。

このサイトを作ろうと思い立ったのは、なかなか主治医には聞きづらい事をインターネットで調べてみると、目につきやすいところにほど、怪しい情報があると気づいたでした。私たちが医療従事者として、困っている人に正しい情報を何とか伝えたいと思い、広島大学の他科のスタッフと共に始めたのがきっかけです。

 

現在は、23名の医師がボランティアで関わっており、乳がんの領域であればほぼ全てカバーできると考えています。可能な限り答えられるようにしていますが、多忙よりなかなか全ての質問に応えることが難しい状況です。

 

現在は700ほど質問に答えていますが、重複する質問も多いため、そのような時には直接メールでお返事することもあります。ただし質問の際には、実際に診察をしているわけではないのでどうしても一般的な回答になること、個人的な質問には答えられないことがあること、などに留意していただきたいとお願いがありました。

この講演においては、質問数の多くを占める下記8つのカテゴリから、特に良く受ける質問を抜粋して解説をなされました。

  1. 診断
  2. 術後治療方針
  3. ホルモン療法
  4. 再発治療
  5. 放射線治療
  6. 化学療法
  7. HER2陽性がん
  8. 手術

 

多くの場合は主治医が説明しているはずではあるけれども、やはり聞きづらい雰囲気であったから、多くの質問が来るのではないかと感じています。

 

最後に、同じ質問が多く来ることや、緊急を要する質問にはお答えが難しいことから、改めて「乳がんなんでも相談室」の上手な活用方法のお願いがありました。

次回は、無印良品様とコラボレーション企画を行います。数年ぶりに現地で体験コーナーを設置しますので、是非とも現地参加いただければと思います。

新年明けましておめでとうございます

皆様のご多幸をお祈り申し上げます

2023年12月2日(土)第143回まちなかリボンサロン(WEB形式)開催の報告

第143回まちなかリボンサロンでは、広島大学病院栄養管理部 天野加奈子先生に『とても大切な”栄養”のお話~美味しく、楽しく食べるコツ~』と題してご講演いただきました。

まず、栄養とは何か、栄養素と栄養の違いについてご説明をいただき、人の身体を車のボディに例えて、全ての栄養素がバランス良く摂っていかねば、身体は良好な状態に保てないとお教えいただきました。

   

次に、炭水化物を始め、近年よく耳にするサルコペニアの予防に有効な栄養素であるたんぱく質、しばしば悪者扱いされるが効率よくエネルギーを摂れる脂質など、各栄養素についてその特徴と働きをそれぞれご説明いただきました。

   

実際にバランスよく食べるという事を常に意識するだけでも食事の内容が変わってくるとお教えいただきました。

   

次に、治療による副作用や先行きの不安による精神的なストレスによって食欲が出ないという状況に直面した際でも栄養は摂っていかねばならず、またその栄養を摂る工夫についてお教えいただきました。

それは、食べるという事は続けていかねばならないゆえに、無理をせず、食べられるものや食べたいものを中心に摂る事、あるいは食事量を減らして回数を増やす、少量でも栄養価が高い濃厚流動食や栄養補助食品などを上手に利用することが肝要であるという事でした。

   

また、下記のように調理方法によっても工夫が可能で、食べる量とエネルギーは比例しない(エネルギー密度の高いものを食べた方が効率的)ことを学びました。

   

最後に「食べること」について、ご説明をいただきました。食生活と乳がん発症リスクの関係性についてお教えいただきました。

 

栄養で一番大事なことは、栄養素を減らさないこと、朝昼夕の食事で必要な栄養素量をバランス良く摂ること、毎日続けていくことは大変であるが、できることを無理なく、できない時もできないなりに食べていく、「食べない」ということを無くすことであるとお教えいただき、閉講となりました。

次回は、島根大学医学部附属病院 乳腺センター角舎学行 先生に『あなたの悩みを解決します!〜乳がんいつでもなんでも相談室にいただくことが多い質問にまとめてお答えします〜』と題してご講演いただきます。

12月になりましたが、寒暖の差が一層厳しくなり、体調も崩しやすいうえ、インフルエンザなどが流行しています。くれぐれもご自愛ください。次回もご参加お待ちしております。

2023年11月4日(土)第142回まちなかリボンサロン(WEB形式)開催の報告

第142回まちなかリボンサロンでは、香川乳腺クリニック院長の香川直樹先生に『乳がん治療とリンパ浮腫~リンパ浮腫にならないための工夫~』と題してご講演いただきました。

 

まず、リンパ浮腫が何によって起こるのか、リンパ節郭清術後のリンパ浮腫発症率は10年間でおよそ50%以上にのぼることをご説明いただき、その予防のためには、リンパ浮腫を良く知って、予防する、早期発見して重症化させないことが肝要であると説いておられます。

   

次に、多くの人が何となくでしか知らない「そもそもリンパとは何か」というレクチャーと、具体的にリンパ節郭清術後に腕がどのような状態になるのか、どのようにリンパ浮腫を引き起こすのかというご説明をいただきました。

 

また、現在はこのリンパ浮腫の発症を抑える取り組みとして、手術前の「センチネルリンパ節生検」という検査に取り組んでいるということでした。

この検査は、リンパ液に乗ってがん細胞がたどり着くリンパ節にがん細胞があるか否かを調べる検査で、これによってがん細胞が発見されなければ、転移が無いと判断し、腋窩リンパ節を郭清しないという選択ができるというものです。

これによって文献では1/3~1/10までリンパ浮腫を減らすことが可能ということです。

 

しかし、いずれにせよ、リンパ節浮腫はケアが必要であり、リスク因子が3以上ある場合は非常に発症リスクが高く、注意が必要であること、その予防のためには肥満を抑えて体重管理を行う事や適度な運動が大切であることをお教えいただきました

  

最後に、合併症として起きやすい蜂窩織炎(ほうかしきえん)のご説明と、発症時には直ちに受診という助言をいただいた後、香川先生が独自で取り組んでおられる勉強会や動画の配信をご紹介いただき、閉講となりました。

   

サロン後のアンケートには「ゆっくりとかみ砕いた説明を繰り返していただき、どのようなメカニズムや要因でリンパ浮腫を発症するのかとてもよく理解出来ました。」「危険因子の「確実」「ほぼ確実」等の区別や、蜂窩織炎の症状や対処法は特にためになりました。」「この先の手術や経過に対する不安が解けていくように感じました。」など感想が寄せられました。

次回は、広島大学病院栄養管理部 天野加奈子先生に『とても大切な”栄養”のお話~美味しく、楽しく食べるコツ~』と題してご講演いただきます。

朝の冷え込みが一層厳しくなり、体調の崩しやすい日が続いています。皆様にはどうかお身体大切にお過ごしください。次回もご参加お待ちしております。

2023年10月7日(土)第141回まちなかリボンサロン(WEB形式)開催の報告

第141回まちなかリボンサロンでは、広島大学病院循環器内科佐田良治先生に『がん治療薬と心臓の関係』と題してご講演いただきました。

「がん」治療薬の進歩に伴って、心血管合併症が引き起こされるリスクが高まり、それは乳がん治療においても例外ではないということから、循環器内科の役割が重要となってきていることをご解説いただきました。

心臓への影響に注意が必要な乳がんの治療薬について、それぞれが心臓へ与える影響と、適切にモニターしていくことでその対応が可能であることをお教えいただきました。

最後に、合併症として頻度の高い静脈血栓症のご説明と、心血管合併症の予防・治療には循環器内科医とがん治療の医師が連携していることをご説明いただき、今後の治療の発展によってますます多職種連携が重要となるであろうことをお教えいただきました。

サロン後のアンケートには「抗がん剤などの薬剤が心臓に与える影響など知ることが出来て良かったと思います」「乳がんの治療を長く受けるにあたり、循環器系への影響を意識していなくてはならないことを改めて認識しました」「抗がん剤投与で癌が治癒しても、心臓への副作用を考えると、心臓疾患にならないためにも日頃の適度な運動等を心がけたいと思います」など沢山の感想が寄せられました。

次回は、香川乳腺クリニック 香川直樹先生に『乳がん治療とリンパ浮腫~リンパ浮腫にならないための工夫~』と題してご講演いただきます。

寒暖の差が激しい季節になりました、皆様にはどうかお身体大切にお過ごしください。次回もご参加お待ちしております。